湿度計は設置して表示を見ればOKというほど単純ではなく、センサーの特性を理解してそれを引き出すことが大切です。確かに湿度計のセンサーは空気中の湿気に反応して表示を変えますが、同じ湿度でも温度が変われば表示も変わる恐れがあります。また冷暖房のように瞬間的に冷たい空気、暖かい空気を作り出す設備の近くだと、センサーが上手く湿度を捉えられないので、湿度計の表示も狂いやすくなります。僅かな湿度の変化が静電気の発生を招いたり故障のリスクが高まる半導体にとって、誤った表示は致命的ですから、常に正しく表示されるように注意するべきです。
高価なコンピュータを大量に設置して管理するサーバールームなどは特に、温度もそうですが湿度管理のコストもケチらないことが大事です。湿度計のセンサーは経年で劣化するのが普通ですから、長年使用しているものについては買い替えの検討をおすすめします。勿体なくて買い替えに踏み切れない場合は、新しい湿度計を用意して、表示に開きがないかチェックすると決断しやすくなります。センサーの劣化は目に見えるものではありませんし、表示が正しいかどうか単体で確かめる方法はありませんから、相対的に確認する方法が必要というわけです。
厳格な湿度の運用が不可欠な用途においては、メーカーに送り返して精度を確認してもらったり、必要に応じて校正を受けるのが正解です。いくら高精度で信頼性が高い業務用でも、経年劣化に勝つことはできませんし、校正などのメンテナンスなしに精度を保つのは不可能なので、定期的にメンテナンスを受けるのが正しい運用方法となります。温度計のセンサーのことならこちら