どのような業界でも市場には自社と似た商品が数多く存在するため、何らかの方法で差別化を図らなければなりません。同じような価格や品質の商品が数多く存在する場合、消費者から選ばれるにはブランド価値が重要になります。ブランド価値が高い企業の商品ほど消費者は盲目的に信頼し購入する傾向が見られます。いくら品質が優れていても、ブランド価値が低いと消費者が敬遠することもあるので注意しなければなりません。
ただし長期的に考えれば消費者から信頼を得るには品質を向上させる必要があります。日本だけでなく世界中の食品関連企業が採用している衛生管理手法がHACCPです。この手法は様々な危害要因の分析に基づいて全工程を細分化し、徹底したリスク管理を行うという点に特徴があります。事業所全体で全てのスタッフが関与してリスク管理を行うので、危害要因が製品に混入するのを防ぐことができます。
また加熱や冷却のような健康被害の防止につながる工程は重要管理点とされ、厳格な基準に基づいて連続的かつ継続的な監視と記録を行います。全ての工程が細分化されるので、トラブルが起きてもすぐに原因を突き止めて対処することが可能です。HACCPを導入するにはコストや手間がかかりますが、製品の信頼性を大幅に高めることができます。クレームなどのトラブルが減って企業の評価が高まるので、市場で消費者から選ばれやすくなります。
HACCPは、食品関連企業のブランド価値を高め売上の増加を図る上で重要な役割を果たす衛生管理手法です。