HACCPに沿う衛生管理は、一般衛生管理(HACCPの基礎となる調理環境の衛生管理)と重要管理ポイントの管理(調理工程の衛生管理)の2つです。一般衛生管理とは、従業員の入室確認・健康確認や原材料の受け入れ確認などがあり、重要管理ポイントの管理は調理工程など一般衛生管理以外の領域でさらに徹底管理しなければならない重要ポイントです。ただ、何が重要管理ポイントになるのか、業態およびメニューなどにより異なるため事例などを参考にして自分たちのお店にマッチするものを見つけることをおすすめします。調理工程には多くの場合加熱工程がありますが、加熱工程におけるHACCPの考え方は非加熱でそのまま食べるもの、加熱して直ぐに食べるもの、そして温めと冷ます工程を繰り返すもの、この3つに分類を行うことが基本です。
さらに、3つの分類をそれぞれの加熱温度や時間、冷却温度や時間などを管理する形で進めます。メニューを3つに分類するときの例ですが、生野菜サラダや薬味ネギなどは非加熱のまま食べる食品、ステーキや焼き鳥・天ぷらなどは加熱して直ぐに食べるもの、スープ類やソースなどのように加熱した後に冷まして提供もしくは再加熱して提供するメニューで、温めと冷ます工程を繰り返す食品に分類されます。現在のお店のメニューを3つに分類することができた後は、分類ごとに温度および時間を管理する作業に入ります。なお、新メニューを提供するときにはこのようなやり方で新しいメニューもHACCPの考え方に基づいて分類と温度および時間の管理ができるよう追加しましょう。