工場では、製品だけではなくそこで働く従業員によっても温度管理が非常に重要になります。たとえば食品であれば、温度が高くなりすぎると食中毒が発生してしまいますし、精密機器を扱っている場合には機器がさびつき故障の原因にもなります。また労働者が安心して働ける環境を整えるためにも、適切な温度管理が必要だといえます。工場は温度が上昇しやすく熱がこもりやすいのが特徴です。
そのためもともと温度管理が難しい傾向にあります。特に広い工場の場合には、大きなエアコンをフル稼働させる必要がありますし、モーターの熱などによっても室温が上がりやすくなります。工場内の温度管理対策として重要なことは、どうして温度が上昇するのか原因を知った上で対策をとる必要があります。機械から発生させる熱が原因の場合には、専用のクーラー、冷却パイプ、適切な空調管理が可能なクリーンルームの導入などを利用して対策を行い、温度管理を行う必要があります。
屋根が広い場合には、屋根に遮熱シートを貼ることで、エアコンを導入するよりも安価に対策を行うことが可能です。食品工場の場合、概ね15℃から20℃程度を低めに保たれることが一般的で、特に生ものを扱う工場では5℃前後と低温に設定されていることも少なくありません。機密機器の工場であれば、湿度が50パーセントを上回るとさびや腐食のリスクが高くなりますから、湿度を40～50パーセントの間に保てるように注意を払う必要があります。